1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

松本人志VS文春の訴訟が盛り上がりに欠けるワケ 松本さんにとって勝訴以上に重要なものとは

東洋経済オンライン / 2024年3月29日 17時20分

その意味で松本さんは、もし週刊文春の真実相当性(真実と信じるべき根拠があること)が認められて敗訴したとしても、世間の支持を得ておくことが重要。週刊誌報道を変え、自身の復帰につなげるためには、味方を増やしておくことが求められているのです。

だからこそXの最新投稿は、週刊文春のプラスにこそならないものの、このところ高まっていた擁護や復活を望むムードに水を差してしまった感は否めません。そもそも訴訟の勝敗と松本さんの復帰は必ずしも因果関係があるとは言えないところがあります。

たとえば、仮に松本さんが勝訴して名誉毀損が認められたとしても、「『性加害はなかった』という証明になるか」と言えば話は別。それは逆に敗訴した場合も同様であり、いずれにしても性加害の疑惑を完全に払拭することは難しいからこそ、スポンサーを含む世間の印象をよいものにし、復帰を受け入れるムードを保っておく必要性を感じさせられます。

松本さんが今一度認識しておかなければいけないのは、「復帰に対する是非は、訴訟の結果とは別で、スポンサーを含む世間の人々が判断する」ということ。しかも世間の人々はそのことに気づきはじめていて、松本さんの言動を冷静に見ようとしている感があります。一方で松本さん自身はそのことに気づいていないから、Xにあのような投稿をしてしまうのではないでしょうか。

ちなみにこれは週刊文春にとっても同様。「現在以上の批判を集めず、これまで同様の報道をしていく」ためには、訴訟の勝敗とは別で、世間の理解を得ていくための言動が求められているように見えます。

求められるイメージ回復と失言予防

その意味で松本さんのX投稿は悪手と感じさせられるものでしたが、これは今回だけのことではありません。松本さんは週刊文春の第一報以降、Xに次のコメントを投稿してきましたが、それぞれに気になる点がありました。

12月28日の「いつ辞めても良いと思ってたんやけど…やる気が出てきたなぁ〜。」は、上から目線であるほか、意味深で混乱を誘う言葉だった。

1月5日の「とうとう出たね。。。(LINEのスクリーンショット)」は、十分な証拠とまでは言えないにもかかわらず、人々の印象を誘導するような方法を使った。

同8日の「事実無根なので闘いまーす。それも含めワイドナショー出まーす。」は、ふざけている上に、降板した番組を私物化するような書き方だった。

同9日の「ワイドナショー出演は休業前のファンの皆さん(いないかもしれんが)へのご挨拶のため。顔見せ程度ですよ。」は、後付けの言い訳にしか聞こえないフレーズを使った。

ここ3カ月間、松本さんのXにおける投稿は、そのすべてが悪手でした。特に25日の最新投稿は代理人弁護士を通したコメントであり、だからこそこれまでより殊勝かつ切実な言葉が使われていたのでしょう。しかし、肝心な内容に疑問点が多く、かえって印象を悪化させてしまったように見えます。

それでもまだ週刊文春と週刊誌報道に対する風当たりのほうが強いだけに、松本さんには訴訟で勝つための弁護士とは別に、イメージ回復や失言予防のアドバイザーが必要ではないでしょうか。この点の対策なくして、松本さんが望む形での復帰や、週刊誌報道を変えるという目的は達成しないように見えるのです。

木村 隆志:コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください