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「日本のハンバーグ」外国人が夢中になる納得の訳 白米と食べる「立派な和食」になった経緯

東洋経済オンライン / 2024年4月23日 11時40分

ハンバーグは白米で食べる「おかず」に

どの店もご飯にこだわるのは、ハンバーグは白米で食べる「おかず」であることを証明しており、洋食ではなく完全に和食へと認知が変化したと言えます。特に、外国人にとっては、ラーメンやカレーのように和食と見られているのです。

銀座の「挽肉屋 神徳」に至っては、ハンバーグに出汁をかけて食べる「和出汁ハンバーグ」があり、和食濃度濃い目のメニューを展開。ハンバーグ出汁茶漬け、という新しい食べ方を提案しています。牛、豚、羊、鮪や鯛のハンバーグもあり、さまざまな味を複数のタレで味わえるようにもなっています。

どのお店も、1人でも気軽に入れ、サービスもしやすいカウンター席が多いのは、オープン時期が、三密対策が叫ばれたコロナ禍であったからかもしれません。

和牛、国産牛を粗めに挽き(挽肉は劣化しやすいので、当日挽きたて!)、より肉の味を前面に出し、炭火で炙り、熱々のご飯と共に食べる「和定食ハンバーグ」。薬味やタレも何種類もあり、それぞれの味わいが選べる。焼き加減も自分好み。価格も1000〜2000円で十分足りるお手頃価格なハンバーグは、若い世代、海外のツーリストなどに今、支持され、新しいハンバーグの食べ方として定着しているようです。

外国人にも認められる「和食」になった

ほんの10年ほど前は、外国人にとってパンを挟んで食べるハンバーガーが正解で、肉だけ食べるハンバーグは、「ありえない存在」でした。また、海外では挽肉はどんな肉のどこの部位が使われているかわからないため肉としての価値が低く、ハンバーグだけを食べることはなかったのです。

しかし、日本で作られたハンバーグは、独自のレシピ、日本の牛肉を使うことで、海外の人たちの常識を破り、ステーキとはまた違う、日本的な食のスタイルとして認められたのです。やはり日本の食に対する安心感、信頼感は高いのです。

ちょっと前まではハンバーグといえば、肉汁溢れるものが主流で、こだわって作られた店のオリジナルのソースで楽しむものでしたが、今話題のハンバーグは、肉汁よりも肉肉しさ、肉本来のおいしさを味わう傾向に移行。ハンバーグのための肉を厳選し、それぞれのお店の味にこだわり、焼肉のように自分で焼くスタイルが定着しています。

白米の上にハンバーグを乗せ、さらに生卵(または半熟卵)をオンして、丼のようにして食べるもよし、一口ずつ焼きながら香ばしさを楽しんだり、好きな味付けで食べることもできる。店が提案する完成されたハンバーグではなく、自分好みにカスタマイズできる、まさに食べる人の多様性に応える業態となっているのです。

千葉 祐士:門崎熟成肉 格之進 代表

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