小林製薬「紅麹問題」結局、何がマズかったのか? "添加物のプロ"が解説「根本原因」はここにある
東洋経済オンライン / 2024年5月2日 13時1分
70万部の大ベストセラー『食品の裏側』の著者、安部司氏が開発した8万部突破のレシピ集『世界一美味しい「プロの手抜き和食」安部ごはん ベスト102レシピ』に続き、『世界一美味しい「プロの手抜き和食」安部ごはん2 ベスト107レシピ』が発売され、発売7日で増刷するなど大きな反響を呼んでいる。
【図でひと目でわかる】混同している人があまりに多い!小林製薬「紅麹問題」"3つの超基本"
『食品の裏側』発売後、全国の読者から受けた「何を食べればいいのか?」という質問に対する答えとして、安部氏が自ら15年かけて開発した膨大なレシピノートの中から、「簡単に時短に作れるレシピ」を厳選したレシピ集だ。
いまなお食品添加物の現状や食生活の危機をメディア等で訴え続けている安部氏が小林製薬「紅麹コレステヘルプ問題」について語るシリーズ第2弾。
*このシリーズの1回目➡「紅麹問題」は"3つの基本、混同してる"人が多すぎだ
麹は「生き物」最大限に神経をとがらせて扱うべき
今回は前回の記事(「紅麹問題」は"3つの基本、混同してる"人が多すぎだ)に続き、「紅麹コレステヘルプ」問題について「麹の管理」という観点から考えていきたいと思います。
なぜなら、「麹」は管理を一歩間違えれば大変なことになる、大変難しい食材だからです。
自分で言うのも恐縮ですが「麹」という観点からこの問題にアプローチできる人間は、あまりいないのではないかと思います。
「紅麹コレステヘルプ」がなぜ死亡者まで出し、多数の健康被害を出したのか、その原因については現在検証中とのことですから、それを待つ必要があります。
しかし、長年食品加工の現場で「衛生管理」と戦ってきた私が考える原因は3つあります。
私が考える原因は、以下の3つです。
①製造工程にて過失もしくは故意により「未知の成分」そのものが混入した可能性
②「未知の成分」を産生する他の微生物が混入した可能性(管理の過失)
③紅麹菌が変異し、「未知の成分」を生産した可能性(不可抗力)
麹は生き物である以上「変質のリスク」は避けられない
前回記事で、「麹菌」はカビ菌の一種だと述べましたが、カビ菌の中で「人間に有用な食品を作り出す」ものが麹として食品加工に利用されてきたわけです。
酒をつくる酵母のために、米をブドウ糖に変えるのです。
ところが、麹菌は「生き物(微生物)」です。生き物である以上、「変質のリスク」は避けられません。
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