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孤独の大家が語る「人が80代になって後悔する事」 多くの人は「何が普通なのか」を気にしている

東洋経済オンライン / 2024年5月5日 12時20分

研究によると、多くの女性が晩年に「後悔すること」があるのだという。写真と本文は直接関係ありません(撮影:今井康一)

孤独や社会的孤立が多くの国で深刻化している。個人の幸せのみならず、その経済的、社会的大きさの影響からイギリスには孤独担当相が設置され、日本でも4月から孤独・孤立対策推進法が施行された。本来人々をつなげるはずのSNSが普及しているにもかかわらず、私たちはなぜ、こんなに孤独になってしまったのか。

『グッド・ライフ 幸せになるのに、遅すぎることはない』の著者の1人で、ハーバード成人発達研究所の責任者であるロバート・ウォールディンガー教授によると、実は孤独問題は1950年代から悪化する一方だという(インタビュー前編はこちら)。

「何が普通なのか」がみんな気になる

――ハーバード大学が幸福に関する研究を85年も続けているのは驚きです。

【写真】『グッド・ライフ 幸せになるのに、遅すぎることはない』の著者の1人であるロバート・ウォールディンガー教授

この研究がまだ続いているのは、ある意味偶然なんです。この種の長期にわたって人々を追跡する研究のほとんどは、10年を経過する前にやめてしまいます。脱落する被験者が多いからです。

私たちの研究は、85年もの間、十分な人数を維持し続けたという点で、まったく異例なものです。しかも、当初の対象者のうち22%しか脱落していません。

ハーバード大学が興味を示しているのは、もともとの被験者の約3分の1がハーバード大学の学生だったからであり、この種の研究の中で最長のものだからです。科学的にも非常に珍しい研究なんです。

――この本は世界中で読まれているそうですが、各国でここまで孤独について関心が高いのはなぜでしょうか。

自分や人の人生でどんなことが起きているのか、それを知りたい人が多いのではないでしょうか。

他の人はどんな人生を送っているのか、自分は人に比べていい人生を送っているのかを知りたいのです。私たちは最初の被験者724人だけでなく、その家族も含めて1000人以上の人々を長年にわたって調査し、さまざまな生き方を見てきました。多くの人はそれに興味があるのだと思います。

よく受ける質問に、「何が普通なのか。どんなふうに生きるのか普通なのか」「こういう生き方をしたら不幸になるのか」というのがあります。

――自分と他人の人生を比べることで、自分は人より「普通だ」「幸せだ」と感じたいと。

ただ、他人と自分を比較する回数が多ければ多いほど、幸福度が下がるという研究結果もあります。だから、毎日、他人がどうであるかを気にする時間を減らしている人ほど幸せなんです。

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