東京23区の「電車じゃない鉄道」が大化け? 動き出すかLRT構想 “1日数本”の貨物線を活用
乗りものニュース / 2024年4月18日 7時12分
東京都江東区の亀戸と新木場を結ぶLRT構想があります。区の新たな交通ビジョンにも盛り込まれた同構想は、しばらく動きがありませんでしたが、一体どのようなものなのでしょうか。
江東区が亀戸と新木場を結ぶLRTを検討へ
東京都江東区は2024年4月、「臨海部都市交通ビジョン」を策定。そこに、亀戸と新木場を結ぶLRT構想の検討を盛り込みました。長らく実現に向けた動きがなかったこの構想ですが、今後はどうなるのでしょうか。
区がまとめた「臨海部都市交通ビジョン」は、約20年後の2040年代前半までを見据えた構想。有楽町線(8号線)延伸や羽田空港アクセス線、都心部・臨海地域地下鉄などと共に「臨海部と城東地域を結ぶ南北交通の充実」の促進が明記されました。その具体例としてLRT構想があげられています。
江東区のLRT構想は、JR総武支線(越中島貨物線)の一部や明治通り沿いにある都有地を活用し、亀戸と新木場の約6kmを結ぶ構想です。実現すれば、新木場や新砂といった臨海部の開発が促進され、明治通りの自動車交通量を抑制する効果などが見込まれています。
越中島貨物線は、東京都内にある路線にも関わらず、非電化で残っています。小岩駅から分岐し、しばらく総武線と並行した後、亀戸駅の先で南に進路を変え、東京メトロ東陽町駅南側の「越中島貨物駅」まで向かいます。ここを走る貨物列車は1日数往復ほどで、かなりの「閑散路線」となっています。
区は「長期的な構想」として位置付け
LRT構想自体は古くからあり、区は2003年に「LRT基本構想策定調査」を実施。それによると、亀戸と新木場を15分以内で結ぶことを目標とし、更なる将来構想として亀戸以北や新木場以南(東京へリポート、若洲方面)への延伸も目指すとしています。車両は、広島電鉄の「グリーンムーバー」や熊本市交通局が導入している連接車を想定しているようです。
ただ、実現にあたってはLRTと国道357号の平面交差などがネックとなるほか、手厚い公的支援が必要となるなど、早期の事業化には課題が多いことが明らかになっています。そのため、区は事業の実施を慎重に検討する方針を示し、あくまで「長期的な構想」として位置付けてきました。
区は今後、おおむね5年後までLRT構想の検討を実施。2030年代~2040年代前半にかけて検討状況に応じた取り組みを進めるとしています。
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