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【CLグループH総括】大本命苦戦で三つ巴の争いもバルサとポルトが順当突破

超ワールドサッカー / 2023年12月15日 13時31分

写真:Getty Images

バルセロナを大本命に、ポルトとシャフタールの一騎打ちが想定されたグループH。大本命の思わぬ苦戦とウクライナ王者の奮闘によって三つ巴の争いとなったが、最終的にバルセロナとポルトが下馬評通りに突破を決めた。

■順位表■
[勝ち点/勝/引/負/得失点]
1.バルセロナ[12/4/0/2/6]
2.ポルト[12/4/0/2/7]
3.シャフタール[9/3/0/3/-2]
4.アントワープ[3/1/0/5/-11]

◆3季ぶり突破も多くの課題残す~バルセロナ~

Getty Images

クラブの財政面を考えても至上命令となった3シーズンぶりの決勝トーナメント進出を首位通過で決めたが、多くの課題を残すグループステージとなった。

屈辱の2シーズン連続となった直近のグループステージはやや組み合わせに恵まれなかった部分もあったが、今回は5大リーグの強豪を回避する上々の組み合わせとなった。それだけに余裕を持っての首位通過も期待されたが、思わぬ苦戦を強いられることになった。

アントワープとの開幕戦では新戦力フェリックスの圧巻のパフォーマンスで大勝し、以降のポルト戦、シャフタール戦も内容面はいまひとつながらも1点差で勝ち切って3連勝を達成。ここまでは問題なかったが、シャフタールとのアウェイでのリターンレグでまさかの敗戦を喫し、2節を残しての突破を逃す最初の失態を演じた。その後、ポルトとの首位攻防戦を泥臭く勝ち切って2位以内を確定させたが、引き分け以上で地力での首位通過を決められるアントワープとの最終戦では低調なパフォーマンスで2-3の敗戦。他会場の結果で辛くも首位通過が決定した。

格下相手の苦戦はチャビ監督の用兵、戦術面の問題によるところが大きく、MFガビや守護神テア・シュテーゲンの離脱でより厳しい台所事情を強いられるなか、よりレベルが高い相手と対峙する決勝トーナメントに向けて不安を残す。

◆本命に屈するも地力示す~ポルト~
Getty Images

バルセロナ相手に連敗を喫したものの、順当に2位通過を決めた。

近年のグループステージでの実績に加え、スカッドの質を考えれば、突破の可能性は高いと思われていたなか、今グループステージでもソリッドな戦いぶりを見せた。質実剛健なチーム作りを信条とするコンセイソン率いるチームだが、今季は主砲タレミやFWエヴァニウソン、FWガレーノといった攻撃陣の決定力や勝負強さが印象的だった。

バルセロナとの2試合ではいずれもインテンシティや切り替えの精度ではイーブンな戦いを繰り広げた一方、ビッグマッチ特有の硬さが出てしまい競り負ける形となった。その一方で、格下と言っていいシャフタール、アントワープとの対戦ではアタッキングサードで余裕を感じさせる部分も多く得意のカウンターやセットプレーを含め効果的にゴールを重ね、取りこぼすことなく4勝を挙げた。

決勝トーナメントではバルセロナとの2試合の戦いを教訓に持ち味の堅守速攻をベースに、ガレーノやFWペペーといったアタッカー陣のさらなる奮闘に期待したい。

◆突破ならずもポジティブな戦いぶり~シャフタール~
Getty Images

ポルトとの相性の悪さもあってヨーロッパリーグ(EL)の決勝トーナメントプレーオフに回る形となったが、グループステージで見せたパフォーマンスは称賛に値するものだった。

母国ウクライナの情勢によって今季はドイツのハンブルクを借りの本拠地として戦う形となったが、初戦のポルト戦こそ敗戦に終わったものの、残り2試合はいずれも1-0で勝利。とりわけ、バルセロナ戦では結果だけでなく内容面でも格上を凌駕する見事なパフォーマンスで、戦禍の母国に勇気を与える素晴らしい試合を見せた。

また、攻撃の軸を担うMFスダコフや最前線で存在感を示したFWシカン、ディフェンスリーダーのDFマトヴィエンコと個々のタレントの活躍も目立ち、今冬の引き抜きは気がかりだが、ELの舞台でも躍進が期待されるところだ。

◆金星で有終の美~アントワープ~
Getty Images

CL初出場の昨季ベルギー王者は最下位での敗退となったものの、バルセロナ相手の金星で有終の美を飾った。

ファン・ボメル監督の下、DFアルデルヴァイレルトやFWヤンセン、DFワインダルら実力者を擁し、戦前はダークホースとしての躍進も期待されたが、やはり初参戦のCLの壁は高かった。バルセロナとの初戦で大敗を喫すると、第2節のシャフタール戦ではミス絡みの失点や最終盤のアルデルヴァイレルトのPK失敗が響いて勝ち点獲得のチャンスを逸した。この連敗で自信を失うと、以降も黒星を重ねて早々に敗退が確定した。

それでも、バルセロナとのリベンジマッチとなったホームでの最終節ではどこか吹っ切れた様子をみせ、90分を通して攻守にアグレッシブにプレー。相手の出来が悪かったことは間違いないが、土壇場で追いつかれた直後の後半アディショナルタイムに勝ち越しゴールを奪って3-2の勝利を収め、有終の美を飾っている。

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