「コーチの助言を忠実に実行した話は聞かない」プロ入り後も今も揺らがぬ打撃の軸【大谷翔平「二刀流の血脈」父の教えと投打のスケールアップ編】#2
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年5月9日 16時0分
日本ハムとの入団交渉(後ろは父・徹さん)/(C)共同通信社
【大谷翔平「二刀流の血脈」父の教えと投打のスケールアップ編】#2
【大谷翔平「二刀流の血脈」父の教えと投打のスケールアップ編】#1からつづく。
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左右に打ち分けることと、早いカウントから打ちにいくスタンスはいまも変わらない。
例えば昨季放った44本の本塁打のうち、右翼方向へは19本、あとの25本は中堅から左翼方向だった。初球をとらえたのは44本中、最多の10本。計21本を2球目までに仕留めている。
右投げ左打ちは徹さん自身の体験に基づいた知恵だった。かつては自分がそうで教えやすかったし、当時から俊足だった大谷にとって一塁まで一歩近い左打ちは有利だと思ったからだ。
野球少年が、まず目指すのは投手。いずれ投手をやることもあるのだろうが、いつかはくじけるという読みが徹さんにはあった。それで左打ちを仕込んだものの、プロ野球はもちろん、メジャーでも二刀流を貫くとは思わなかった。結果として肩肘を含めた商売道具の右腕を、左打席で死球の危険にさらすことになったのは誤算だろう。
「とにかく打つことにかけては、高卒ながら即戦力だった。驚いたのはスランプが極端に短かったこと。コーチの助言にはニコニコしながら“ハイ”ってうなずくんだけど、おそらく右から左に聞き流してたんじゃないかなぁ(笑)。コーチの助言を忠実に実行したって話は聞いたことがないから」とは日本ハムOB。
あくまでも父親の教えをベースに、自分で考えて対処したようだ。
打撃に関してはメジャー移籍後も比較的順調だった。1年目のオープン戦で打率.125とドツボにはまり、いてもたってもいられずに同じアリゾナでキャンプを送るイチローのもとを訪ねたことくらい。動く速球に対応するため、右足をほとんど上げない打撃フォームに変えて対応した。(つづく)
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