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首輪とリードを全力で拒む保護犬 警戒心を和らげビビリを克服へ スタッフと二人三脚「幸せになる順番、そろそろあなたかも」

まいどなニュース / 2024年5月9日 15時30分

栃木県の保護団体が起こした多頭飼育崩壊現場から保護されたGI(ジーアイ)

2023年9月、栃木県内の動物保護団体で多頭飼育崩壊が生じました。詳細は以前報じましたが、ここにいたワンコのうち数匹は複数の団体に引き取られることとなり、劣悪な環境から抜け出すことができました。

東京・足立の保護犬猫カフェPETSも複数のワンコを引き出し、うち1匹が推定年齢1〜2歳のGI(ジーアイ)というメスのミックス犬。金の瞳(ゴールデンアイ)から名付けました。ただ保護当初から、粗暴ぶりやビビリが激しく、人間にガウガウ。全てのことを全力で拒否するワンコでした。

警戒心強めの子に大事なあえての「放置プレイ」

こういった警戒心が強く、結果的に攻撃的になるワンコは、保護犬には少なくありません。当初のGIは警戒心が際立っており、人間を前にしても「目を合わさない」「お尻しか見せない」に徹していました。

スタッフは「大丈夫。今はガウガウするけど、絶対に心を開いてくれるワンコ」と直感。保護後すぐにシャンプーをして、いつでも好きなタイミングでエサを食べられるよう水が飲めるようにしました。

こういったワンコに対しては、あえて「放置」することが大事といいます。環境にも人間にも馴れないワンコにアレコレ試すと、余計に警戒心を増長させてしまうことがあるからです。スタッフは警戒心強めのGIにも「放置」を実施。慌てず急かさず、のんびりと心を開いてくれることを待ち、適度なコミュニケーションで世話を続けました。

「私にハーネスをつけるな!」

少しおとなしくなってくれたGIに対し、スタッフは散歩トレーニングを実施することにしました。

以前の劣悪な環境では、散歩の経験もなさそうでしたが、ワンコにとって散歩は何よりものストレス発散になります。これから先、幸せをつかむには散歩でうまく歩けることは必須です。

慌てる必要はありませんが、少しずつ馴れてもらうため、スタッフがGIにハーネスを付けると、「私に何するの!」と言わんばかりに過剰に大暴れ。ハーネスに噛みつき、引き裂こうとする始末です。

ここでは「放置」は逆効果です。「散歩を嫌がっているんだから、させないようにしよう」ではトレーニングは始まりません。日々GIにハーネスを馴れさせ、そして散歩中にリードを引っ張らずにまっすぐ歩いてくれることを念頭に、慎重に接することを繰り返しました。

里親さんが「初めての人」になれることがたくさん

GIの「ハーネス拒否」はしばらく続きましたが、ハーネスを付けた後の散歩が楽しいことに気づいてくれ、やがてすんなりハーネスを付けさせてくれるようになり、他のワンコと仲良くまっすぐ散歩を楽しめるように成長してくれました。

人間の手からおやつを食べられないなど、その警戒心が完全に解けたわけではないですが、GIが散歩をマスターしてくれたことをスタッフはおおいに喜びました。

そして、あの多頭飼育崩壊の現場から保護した複数のワンコが次々と「ずっとのお家」をつかんでいく中、「次はそろそろGIの番じゃないかなー」とも。「まだ私たちの手からおやつを食べてくれないけど、やっと鼻に『ちゅーる』をピッとつけてあげたら舐めてくれるようになりました。そんなうれしい体験を、新しい里親さんが初めてできるかもしれないのだから、きっと飼い始めたら溺愛されるワンコなんじゃないかと思います」

GIが「ずっとのお家」をつかみ、警戒心なく過ごせるようになる日が訪れるのは、そう遠くないようです。 

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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