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コロナでノックアウト状態だった紳士服業界が浮上!? 中でも「AOKI」が頭一つ抜きでてる理由とは

MONEYPLUS / 2024年5月9日 7時30分

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コロナでノックアウト状態だった紳士服業界が浮上!? 中でも「AOKI」が頭一つ抜きでてる理由とは

沈みゆく運命と目をかけていなかった紳士服業界が、もしかしたら2024年は注目セクターになるのかもしれない。そう感じたのは、5月1日に紳士服では業界2位のAOKIホールディングスが、24年3月期の通期予想の上方修正を行なったからです。


二度の上方修正

画像:AOKIホールディングス「連結業績予想及び配当予想の修正に関するお知らせ

売上高は、前回発表予想185,000(百万円)から187,700(百万円)へ、1.5%の増額。営業利益は、前回発表予想13,000(百万円)から13,850(百万円)へ、6.5%の増額。じつは、今回の上方修正は、2度目になります。

いちばん最初に発表された当期の予想は売上高180,500(百万円)、営業利益は10,800(百万円)なので、当初の予想からは、売上高は3.9%、営業利益は28%の増額となります。売上の増額率に比べて、営業利益の増額率が高く、営業利益率の大幅改善が見られます。仕入れ価格の上昇に対応した価格改定を行なったことと、販売施策の強化が功を奏したようです。

画像:AOKIホールディングス「第3四半期決算補足説明資料

24年3月期第3四半期の決算説明資料によると、前年同期と比べて販売着数は49万着から45.9万着へ減少していますが、販売単価は、2.6万円から2.9万円と上昇していることが分かります。おそらくこの流れは、来期も続くのではないでしょうか?

若い人にはオーダースーツが人気?

紳士服=おもにビジネススーツは、もともと通勤服のカジュアル化によって需要が低減していたところに、コロナによるリモートワークで完全にノックアウトされ瀕死の状態でした。

そんな中でもAOKIは「パジャマスーツ」という画期的な商品を編み出し、コロナ禍でも攻めの姿勢を崩しませんでした。スーツのキチンと感は残しつつ、着心地はパジャマというリモートワークにはぴったりの服で、オンライン会議の合間に、ゴロンと昼寝なんてこともできちゃうのです。「パジャマスーツ」というネーミングから、外出には不向きのようにも感じますが、実際には、カジュアルスーツといった様相で、充分、ビジネスに対応できます。

そのため、リモートワークが減少しても、需要は維持できています。たしかに、最近は、Tシャツにジャケット、素足にスリッポン的な靴を合わせたスタイルの男性が増えたように感じます。

一方で、若い人たちの間では、オーダースーツを好む人が増えていると聞きます。YouTubeなどで、メンズスーツの着こなしや、ルーツなど、今まであまり身近じゃなかった情報が、自然と入ってくるのが影響してるのではないかと読んでいます。こういうこだわりは、女性よりも男性のほうが沼りそうですよね。

カジュアルスーツが多い中、ピリッと体にフィットしたスーツを着用していると、それだけで仕事ができそうな印象を受けます。あらためて”きちんとスーツ”の良さが見直されているのかもしれません。

紳士服業界1位と3位の状況は?

では、ほか紳士服メーカーの業績はどうかというと、紳士服業界一番手の青山商事(8239)は、21年3月期に大きな赤字を掘ったあと、V字回復中で、24年3月期は、売上194,500(百万円)、前年比+4.8%、営業利益11,400(百万円)、前年比+52.5%で着地予定です。

当社は、全店でオーダースーツを導入したことで、利益は伸びていますが、売上は期間中に下方修正をしています。5月7日に発表された月次売上は、既存店で売上前年比96.4%と前年割れで、やや苦戦しているように見えます。

業界3位のコナカ(7494)は、2020年9月期から4期連続営業利益は赤字で、今期2024年9月にやっと黒字転換予想です。都市型店舗の「スーツセレクト」は若者を中心に堅調で、こちらもオーダースーツが伸びているとのこと。

つまり、ビジネススーツ業界は、どん底からは浮上しつつあるものの、業界全体を大きく持ち上げるほどの神風は吹いておらず、業績の改善具合は”企業による”といえます。AOKIが頭一つ抜きでているのは、ファッション事業部のほか、会員制シェアリングスペース「快活クラブ」を含むエンターテイメント事業が、非常に堅調で、利益をサポートしてくれているからです。

画像:TradingViewより

23年1月からの3社の株価を比べると、赤字が続いていたコナカがいちばん出遅れており、AOKIホールディングスと青山商事は競り合っています。両者とも、5月10日に本決算発表を予定しており、新年度予想を強気で出せたほうが上昇の角度を高めるのではないでしょうか。

※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

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(藤川 里絵)

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