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骨折ではないのに腕に痛み 2~6歳に多い「肘内障」 靭帯のずれに注意

沖縄タイムス+プラス / 2024年5月9日 6時0分

[命ぐすい耳ぐすい 県医師会編](1332)

 「肘内障(ちゅうないしょう)」という状態をご存じでしょうか? 「子どもが急に腕を動かさなくなった」「肘が抜けた」「肩が抜けた」という主訴で受診される小さな子どもは肘内障のことが多いです。

 「わがままを言って泣き叫び、寝転んだ子どもを引っ張り上げると急に痛がった」「友達と遊んでいると突然腕が動かせなくなった」と言って受診することもあります。転んで手を着いた際に起こることもあります。

 肘内障は肘の外側にある輪状靭帯(じんたい)という靭帯がずれて亜脱臼になった状態です。肘内障は2歳から6歳の子どもに多いのですが、骨格が発達するにつれ起きにくくなってきます。

 受傷後は痛みを避けるために肘を少し曲げ、手首辺りを押さえて動かさなくなるため、肩が抜けたように見えたり、手首を痛めたように見えたりします。

 通常、骨折を来すような外傷のエピソードがなく、腕を引っ張った後に痛がったということであればエックス線検査を行わないことが多いのですが、転倒など外傷のエピソードがある場合は、骨折の有無を確認するためにエックス線検査をすることもあります。

 検査で骨折が認められず、問診と診察所見から肘内障と診断したら、整復操作をします。肘の外側(靭帯のずれている部分)に手を当てながら腕を回すと、クリック感とともに整復されます。整復には軽い痛みを伴うため泣いてしまう子が多いですが、麻酔の必要はありません。

 整復直後は痛みのため泣いている子もしばらく待合室で保護者にあやしてもらうと、徐々に痛みがなくなり、今まで動かせなかった腕を動かすようになります。バンザイの動作ができるようになったことを確認してから帰宅してもらいます。

 小学生になると肘内障を起こすことはまれですが、幼児期の間は繰り返すことがあります。再発予防としては、腕を引っ張らないように心がけることです。子どもと手をつないで歩く時は、腕を強く引っ張ったりしないよう気をつけましょう。=第1、2、4水曜日掲載

(名護宏泰・与勝病院整形外科=うるま市)

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