沢庵和尚ゆかりの宗鏡寺で「大根戯画」を特別公開 最終日の１２日に能登半島地震のチャリティーコンサートも

特別公開されている「大根戯画」＝兵庫県豊岡市出石町の宗鏡寺

兵庫県豊岡市出石町の沢庵和尚ゆかりの「宗鏡（すきょう）寺（沢庵寺）」の本堂で、日本画家の諫山宝樹さん＝京都市在住＝が同寺に奉納した「大根戯画」の襖絵を１２日まで特別公開している。最終日の夜は、能登半島地震の復興を支援するチャリティーコンサートがあり、襖絵がイベントを彩る。

諌山さんは京都市立芸大大学院修了。大学院時代から東映京都撮影所で時代劇の背景制作などに携わり、平成２７年に独立後は映画やテレビ、広告美術の世界で活躍。令和元年のＮＨＫの朝ドラ「スカーレット」の絵付けや日本画を指導し、現在はＮＨＫの大河ドラマ「光る君へ」の衣装デザインを担当している。

「大根戯画」は６面（１面縦１７０センチ、横９０センチ）と天袋２面（縦５０センチ、横９０センチ）。沢庵和尚が同寺で考案した「たくあん漬け」にちなみ、ダイコンを擬人化。大たるのたくあん漬けから逃げ出したダイコンたちが、自由を得て気ままに暮らし、酒や賭け事におぼれる姿を水墨画でユーモラスに描いている。

諌山さんが、同寺の小原游堂住職と知り合いであることが縁で、平成３０年の庫裏の完成に合わせて奉納。諌山さんと小原住職が襖絵のストーリーを考え、諌山さんが２日間滞在して作品を仕上げた。

諌山さんは「アートは特別なものではなく、もっと身近な存在であってほしい」といい、奉納以来、普段は同寺の居間にある襖絵を５、１１月に本堂で特別公開している。

今年は４月２１日から公開。ゴールデンウイーク中は、大勢の拝観者が「大根戯画」を楽しんだ。１２日のチャリティーコンサートは、日本を代表するＲ＆ＢシンガーのＴｉｎａ（ティナ）さんが「音楽で被災地を応援したい」と出演。収益金の全額は義援金として被災地に送られる。

当日は午後６時から夜間特別拝観、同７時からライブと、対談を予定。入場料は前売り２千円（当日２５００円、拝観料を含む）、中学生以下は保護者同伴で無料。問い合わせは同寺（０７９６・５２・２３３３）。