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「死にいたる事も」意外と知らない歯周病の"怖さ" なぜ歯周病菌は普通の歯磨きでは死なないのか

東洋経済オンライン / 2024年5月9日 8時30分

このように体内にとって非常に重要な役割を担っているものですが、薬も飲みすぎれば毒になるように、炎症性サイトカインも歯周病菌によって慢性的に放出され続けると、体にとって毒となります。

また、食事などで血液中の糖が多くなると、インスリンという物質を放出し、血液中の糖を取り込み、エネルギーへと変えてくれるのですが、炎症性サイトカインはインスリンの働きを妨げる作用を持っています。

こうして、血液中の糖が減りづらくなり、血糖値が高くなってしまうことで、糖尿病と診断される可能性が出るのです。

また、糖が血液に残ることにより血液がドロドロになります。免疫細胞もドロドロの血液の中で動きが鈍くなり、免疫力が低下します。

歯周炎が慢性化し、炎症性サイトカインが放出され続けることで、体内のインスリンの働きも妨げられ続け、それが結果的に糖尿病へとつながってしまうのです。

高血糖がもたらす悪影響

高血糖の状態が続いてしまうと、数多くの悪影響が生じます。

代表的なところでは、体の末端の血管が機能せず、四肢のしびれやまひなどにつながるというもの。末端だけでなく、主要な血管にもダメージを与えてしまうため、心筋梗塞や脳梗塞など、血管事故といわれる症状も引き起こしやすくなってしまいます。

体というのは1つの臓器が独立して動いているわけではなく、すべてが連動して動き、体を健康に保っているのです。

歯周病はその名の通り、歯の周りの歯肉で起こっている炎症です。しかし、ここで起こった異常でも、放って置くとやがてその影響は体全体に広がり、さまざまな病気を引き起こすきっかけになってしまうのです。

多くの健康情報が世にあふれ、多くの人が健康に留意した生活を送っています。これはとても素晴らしいことですが、健康に生きるのならば、虫歯菌、歯周病菌の除去は絶対に行わなければいけません。

ご自身の健康のためにも、今までの健康意識に、もう1つ歯磨きのアップデートをしていきましょう。

伊東 材祐:訪問歯科医師・医療法人理事長

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