ECB総裁、緩和開始後も「利下げ回数にコミットできず」
ロイター / 2024年3月20日 22時4分
欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は20日、借り入れコストの引き下げを開始した後も、あらかじめ設定した回数の利下げにコミットすることはできないと述べた。1月撮影(2024年 ロイター/Kai Pfaffenbach)
[フランクフルト 20日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は20日、借り入れコストの引き下げを開始した後も、あらかじめ設定した回数の利下げにコミットすることはできないと述べた。フランクフルトで開催された会合で述べた。
「決定はデータに次第であり、会合ごとに行われ、新しい情報が入ってくればそれに対応する」と強調。「最初の利下げ後も、特定の金利パスを事前に約束することはできないことを意味する」とした。
ECBのチーフエコノミスト、レーン専務理事も「必要な制約の水準と、基調的なインフレと賃金の上昇率とのバランスを、今後長期にわたって調整することになる」と述べた。
ユーロ圏のインフレ率は2022年秋の2桁台から2月には2.6%まで鈍化した。
ラガルド総裁は、コアインフレの鈍化が予想されるため、最近の減速はかつてよりも「持続性があり、商品価格に関する想定に左右されにくい」ものになる可能性を示唆した。
ECBが利下げを開始するために必要な条件として、賃金の伸びの鈍化、インフレ率の継続的な低下、インフレ率が目標の2%に戻りつつあることを確認する新たな内部予測を列挙し、「これらのデータから、基調的なインフレの経路とわれわれの予測に十分な整合性があることが明らかになり、伝達が引き続き堅調だと想定すれば、われわれは政策サイクルの巻き戻し段階に移行し、政策の制約を緩めることが可能になる」と述べた。
ECBの理事会は4月11日、6月6日、7月18日、9月12日、10月17日、12月12日に予定されている。
カザークス・ラトビア中銀総裁やクノット・オランダ中銀総裁らの理事会メンバーは、経済予測を発表する6月、9月、12月に動くことの利点を強調している。
一方、ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁は、8月の夏休み前に2回利下げを行い、その後年末までにさらに2回の利下げを行うのが妥当だとしている。
ピクテ・ウェルス・マネジメントのマクロ経済調査部長フレデリック・デュクロゼ氏は、きょうのラガルド氏の発言は理事会内のコンセンサス形成に向けた基礎となるとの見方を示し、「われわれは、6月に利下げを行い、7月に一旦停止し(ハト派がより強く押す可能性はあるが)、9月以降の全ての会合で利下げを再開すると予想している」と述べた。
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