杏主演の映画『かくしごと』監督・関根光才が託した思い「傷が癒える人がいるかもしれない」
cinemacafe.net / 2024年4月14日 16時0分
『生きてるだけで、愛。』(18)で鮮烈な長編監督デビューを飾った映像クリエイター、関根光才が杏を主演に迎えた長編第2作『かくしごと』。この度、関根監督が原作小説「嘘」の魅力や、映画化にあたって変更したタイトルへの思いについて語った。
杏さんを主演に迎えた本作は、子を守る母親の強烈な愛と嘘の物語。原作は「ミステリー作家が描く感動小説」として評価も高い、北國浩二の「嘘」(PHP文芸文庫/※ただしくは正字)。
4月1日に解禁となった本編映像では、杏さん演じる主人公・千紗子が事故をきっかけに出会った被虐待児・拓未に対して「私の子どもなの」と嘘を吐く、緊迫感のあるシーンがとらえられていた。
千紗子が拓未を想う深く激しい母性とともに、実の両親から拓未への虐待や、認知症の父・孝蔵の介護といった社会問題もストーリーに織り込まれている本作。関根監督は、原作となる北國浩二の「嘘」に魅了されて本作の撮影を決意したという。
「犯罪を奨励したいわけでは決してないですし、千紗子の行動は社会的には許されないんですけど、なかなか家族関係がうまくいかない中、日の当たらないような状況に陥ってしまった人たちの行動原理って、人間個人としては理解できるところもあるじゃないですか」と監督は言う。
「過酷な状況にある人を助けたい気持ちはあるものの、社会に生きている一個人として、それが罪に問われるような事となるとなかなかできないよね、となる。けれど映画の中でその気持ちが伝えられたり、助けられたりするかもしれない可能性が提示されたら、傷が癒える人がいるかもしれないというところに魅力を感じました」と本作に込めた思いを口にする。
虐待や老人介護について、個人的に気になっていることとして向き合ってみたかったという関根監督は、本作の脚本も手掛けた。幾度も改稿が重ねられた脚本で、原作から大きく変更となったのはラストシーンだ。
「原作を読んだ時から、自分の中で映画はここで終わりたいという気持ちがはっきりしていました。映画を観た後、文章に触れる人がある種の安らぎというか、ほっとして終われる後日談にしたいと思ったんです」と明かす。
また、映画化にあたり、関根監督のアイディアで「嘘」から『かくしごと』というタイトルに変更されている。関根監督は「映画で『嘘』というタイトルだと、お客さんにとって嘘という前提が刷り込まれ、誰が嘘をついたのかという視点で観てしまうと思ったので、タイトルを変えました」と意図を明かす。
「そもそも彼女たち、彼らは嘘をついたけれど、全部悪意からついた嘘ではないんですよね。言えなかったことや相手を傷つけたくないから、秘めていたことがあって、どちらかというと、嘘という言葉が持っている、『能動的に騙す』というよりは、『自分の胸の内にしまっていること』のイメージを印象づけたいなと思いました。『かくしごと』という言葉は、子どもを隠匿してしまうような感じの要素との、ダブルミーニングにできるといいな、と」。
先日解禁された原作の北國氏のコメントでは、「『嘘』ではなく『かくしごと』の世界は、人がふだん隠している感情が露呈し、罪や愛、怒りや悲しみ、後悔と希望、そしてやさしさがあふれ出す世界だ」という言葉があり、関根監督が『かくしごと』というタイトルに託した意図に感銘を受けている。
また、関根監督は本作を「どちらかというと、社会の中で日の当たらないところに日が当たるという映画」だと称する。
どのような人に本作が届いてほしいか尋ねると、「今、難しい状況にある人でも、過去にそういうことがあった人でも、観たら少し気持ちが軽くなることがあったら嬉しいです」と監督。
「映画で人を救おうなんて大それたことは考えていないんですけど、僕自身は実際、人生の中で映画によって救われたと感じたことがあったので、少しだけでもそういう可能性があってもいいのかな、と。やっぱり日本で生きていると、思ってることと、行動が一致しないじゃないですか。世界の他の国だと、もうちょっと一致してるけど、日本は乖離しているというストレスがある中で、もう少し自分が感じたり、思ったりしたことを素直に表現する生き方をしてもいいんじゃないかと思っているので、そういうところにも気づきがあるといいなと思っています」と希望を語った。
『かくしごと』は6月7日(金)TOHOシネマズ 日比谷、テアトル新宿ほか全国にて公開。
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