【新NISA】「つみたて投資枠は上限600万円までしか買い付けができない」はホント? 誤解? 正解は…
Finasee / 2024年5月1日 18時0分
Finasee(フィナシー)
新NISA開始を機に資産運用を始めた人も多いでしょう。おさらいにはなりますが、この新NISAのポイントは主に4つ
・非課税期間の無期限化
・NISA制度の恒久化
・旧制度では「一般NISA」「つみたてNISA」のどちらか1つ選択が必要
→新NISAでは「成長投資枠」「つみたて投資枠」の併用が可能に
・非課税保有限度額が大幅にアップ
今回は4点目の「非課税保有限度額」にまつわる、“あるある”な誤解「『つみたて投資枠』では、最大でも600万円までしか、投資できないんですよね?」をひもときます。
そもそもこの誤解はどこから生まれた?冒頭でもお伝えした通り、新NISAの生涯で投資できる金額の上限(非課税保有限度額)は大幅にアップされ、一人当たり1800万円となりました。
そこで、よく見かけるのが以下の図ではないでしょうか?
上表は金融庁作成の表を参考に作成したものです。
特に注目していただきたいのは、「非課税保有限度額」の欄。「成長投資枠 内数 1200万円」という表記があります。 数字の部分を見て、「新NISAの保有限度額1800万円―成長投資枠1200万円=つみたて投資枠は600万円では?」と直感的に思われるかもしれません。
しかし、結論から言えば、そんなことはありません。
成長投資枠を優先的に使っていけば、その上限は1200万円で、残る600万円の枠でしか、つみたて投資枠は使えません。しかし、金融庁の表でもつみたて投資枠が1800万円全体にまたがっているように、もしつみたて投資枠を優先するのなら、1800万円すべてをつみたて投資枠で使い切ることも可能なのです。
つまり、新NISAの投資上限額の中にさらに制限があるのは成長投資枠のみ、ということです。
つみたて投資枠だけで1800万円投資するには15年かかるただし、新NISAで投資を開始しても1800万円をすぐに使い切ることは不可能です。なぜなら、新NISAには生涯の投資上限額のほかに、1年間で投資できる金額にも上限が設定されているためです。
つみたて投資枠の年間投資枠の上限は120万円(ひと月10万円)。つみたて投資枠だけで1800万円投資するには早くとも15年かかります。
■新NISA 最速で1800万円投資するには…
つみたて投資枠600万円(120万円×5年)+成長投資枠1200万円(240万円×5年)→最速5年で1800万円投資可
もしできるだけ早く1800万円分の投資をしたいなら、2つの投資枠を併用すると良いでしょう。
***
資産形成を計画的に進めるうえで、制度を根本から正しく理解できることは不可欠といえます。誤解をしているがために、効率の悪い活用をしている可能性もあります。
「ほったらかし投資」が長期積立投資の魅力ではありますが、それも制度を正しく理解し、かつ自分にあった積立設定をしたうえでこそ。ほかに誤解していそうなことはないか、今一度点検してみましょう。
Finasee編集部
「インベストメント・チェーンの高度化を促し、Financial Well-Beingの実現に貢献」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAやiDeCo、企業型DCといった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。
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