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ヒールを履くと足がしびれて痛くなるのはなぜでしょうか?【日本版「足病医」が足のトラブル解決】

日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年5月9日 9時26分

【日本版「足病医」が足のトラブル解決】#17

 一日中、先の細いヒールや硬い革靴を履いた後に足先がジンジンとしびれて痛くなった経験はありませんか。これは「絞扼性神経障害」と呼ばれ、長時間足が締め付けられることにより、神経が圧迫されて生じる末梢神経障害のひとつです。

 先日、ある40代の女性が慌てた様子で当院を受診されました。問診で話をうかがうと、「以前から足がしびれて痛い日が多く、ここ1週間は靴を脱いでいても痛い。何か深刻な病気が隠れている気がして今すぐに診てほしい」と言います。患者さんの足元を見ると、なんと10センチもの高さがあるヒールを履いているのです。人前に立つ仕事をしていて、一日中高いヒールを履いて過ごさなければならないとのこと。初診時で重大な病気がないか検査を行い除外した結果、長時間のヒール着用による絞扼性神経障害と診断しました。

 正座をした後に立ち上がろうとすると、しびれがしばらく治まらないのと同じく、足も締め付けられた状態で足に体重がかかり続ければ神経はダメージを受けます。楽な靴に履き替えてから痛んだ神経が解放されて再生し、しびれが回復するまでに時間がかかるのは当然です。

 まずはしびれの原因となる靴の着用は控えてもらいます。末梢神経障害性の疼痛に対しては、ミロガバリン(商品名:タリージェ)やプレガバリン(商品名:リリカ)が効果が高いので処方し、症状が改善されるまで服用を続けます。急に服用をやめると症状がぶり返す人も少なくありません。

 また、薬で症状が改善されたとしても再び高いヒールを着用すれば、再発するリスクは高まります。運動靴を履いたり、移動中やオフィスではスリッパに履き替えるなど、日頃から足に負担が少ない生活スタイルを心掛けてください。

 どうしてもヒールを履かなければならない場面では、なるべく高さが5センチ以内のものを選び、靴の中で足が前方へ滑らないよう、滑り止め用のパッドを入れたり、甲の部分に市販のバンドを巻く工夫をしましょう。

(田中里佳/順天堂医院足の疾患センター長)

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