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「配属ガチャ」対策を進める企業が、一度立ち止まって考えるべきコト

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月24日 8時15分

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 今回のテーマは、昨今問題視されている「配属ガチャ」(※)に対する企業の対策についてです。

 この4月からも、大手企業が入社前に配属先を選択できる新人事制度を導入したり、限定的にジョブ型採用をしたり、企業は人材確保に必死です。確かに希望通りに働けることは良いことですが、配属ガチャ対策を進める企業は、今一度立ち止まって考えるべきコトがあるのではないかと、筆者は考えています。

※配属ガチャとは、新入社員が希望する職種に配属されるか分からないことを、カプセルトイの「ガチャガチャ」になぞらえたもの。

●「配属ガチャ」対策ブーム なぜ?

 現在、転職市場はかつてないほど活発で「配属ガチャにハズレたら退職一択!」というようなワードが見受けられます。さらに、面接サポートや退職代行サービスなどの支援が受けられる環境も整っており、今より恵まれた環境を自身で獲りにいくのは自然の流れかもしれません。

 終身雇用が崩壊し、働き方も多様化。「希望通りの職種と場所が自身の労務提供の場である」と働き手側の価値観が変化しています。

 ただ、そのような潮流があっても変わらないものとして、企業には経営ビジョンがあり、それに基づく長期的な人員計画があります。そのビジョンに向けて膨大な時間と費用を割いて採用・育成活動をしています。

 「ガチャに外れた」という理由で内定辞退や早期退職があり、欠員補充のため採用からやり直すコスト、組織のモチベーションダウン、人材再教育を考えると、最初から希望の職種や勤務地のハコを用意して、手厚い人事施策を打つ判断はもっともです。あらゆるリスクやコストを考え、悩みぬいた結果、最初から「希望のハコを用意し、辞めない安定稼働の組織を作る」という選択肢になったとも言えます。

●配属ガチャ対策はメリットだけなのか

 確かに、配属ガチャ対策として手厚い人事施策はメリットがあります。

 新卒採用の場合、採用に至るずっと前の段階で、会社説明会、インターンシップ、社内イベント、選考、面接など、たくさんのステップがあります。つまり「この会社に入ったら何ができるのか」「どんな働き方をしたいのか」「協調性が高いタイプか、主体的に動くタイプか」など、お互いにミスマッチをつぶす機会が設けられているのです。このステップで企業は、本人の希望はリサーチできています。

 そこで獲得した希望通りのハコを用意し配属すれば、希望職種での成長を望めるでしょう。また、地元で就職をしたいという希望や、家族や環境などの理由で自身の生活圏を変えたくないという希望をかなえれば、新卒社員は「知らない土地に飛ばされるリスクがない」という安心感が得られます。これは新卒社員にとって代えがたい価値になるでしょう。

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