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ゼロリスク、ゼロコロナ追求で失う重大な勝因

Japan In-depth / 2021年12月3日 23時0分

準備を進めていく中で「方針」は「計画」へ、続いてそれぞれの「作戦」O-1、O-2、O-3※2へと具体的なものになる。命令1つで部隊が一斉に行動を変えられるのは、こうした周到な準備によるものだ。業務は期限までに限られた時間内でできるだけのことを逆行的に進めていく。自衛隊を含め各国の防衛組織が時間に大変厳しいのはこのためである。





重要なものほど理解されにくい





戦闘においてリスクをゼロにすることはできない。ゼロリスクを追求するあまり戦闘に勝てなければ国の存続が危うくなる。リスク管理のうち「できないこと」「やらないこと」を早く決めなければ、それらを補う方策について考える時間が無くなってしまう。





わかりやすい目標は大衆に支持されやすい。「犠牲者を出さない」ゼロリスクなどは最たるものだ。しかし、実際には不可能なことをもっともらしく語る者で信頼できる者はいない。「誰かは死ぬ、全員は助けられない」と耳障りなリスクを言えて、現実的な対策を講じることが結果として最善の策になる。ゼロリスクは目に見えて誰にも解りやすい。しかし、実効的なリスク管理とは、複数の方法に渡り、中には想像しにくく目に見えない形で行われるものもあるため、理解や支持を得られるための努力を要する。大切なことほど理解されにくいものだ。しかし、ここが重要である。理解を得るためにする努力を通じて「協力」が得られるからだ。そもそも単独で対処できない複雑な問題であるからこそリスクになる。部外力や他の分野で補わなければ解決はできないのであるから、調整力やそれを実行できるだけの人格は非常に重要だ。





最大の障害は、論破と独断専行





議論を通じ、異なる考えや違う意見を受け入れることによって問題は解決していく。時間はかかるものの、結果としては最良の策となる。議論は調整を兼ね、自分単独では達し得ない新しい質を獲得できるからだ。独断専行は早く対処できるように思えるが、致命的な間違いを犯した場合に打つ手が無くなる。有事に時間をかけたくなければ平素から良好な人間関係を築いておくことだ。ここでも人の器の大きさが重要な要素となる。この面では本来、日本は優れた文化を有しているはずである。論破では何も変わらない。それは何も産み出さない自己完結満足であって「私は莫迦です」と自ら言っているようなものだ。





不幸は決して単独でやってこないのであるから、コロナ禍で大地震発生、放射性物質の拡散を伴う爆破事件など複合事態に備えるためには、リスクを正しく分析し、連携して対処できる態勢づくりが求められている。





※1 O/C our course of action 「我の行動方針」敵はEnemyでE/Cとなる。E/Cの分析には必ずMost Dangerous Course of Action「我に重大な影響を及ぼす敵の可能行動」Most Likely Course of Action「最も蓋然性の高い敵の可能行動」の2つを含める。





※2 O-1:Own Course-1 「我の行動計画1号」一般社会では「プランA」「プランB」などと表現されるが、それよりも緻密で細分化された内容による作戦計画





トップ写真:ロサンゼルス国際空港(カリフォルニア州ロサンゼルス)の国際ターミナル内で稼働するCOVID-19検査センター(2021年12月01日) 出典:Photo by Mario Tama/Getty Images




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