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ありがとうの意味「サンキューハザード」 どう使うべき? 人により伝わらない? 多様なハザードの使い方、広まる背景は?

くるまのニュース / 2024年4月3日 11時10分

後続車などに感謝の意を伝える「サンキューハザード」は、ハザードランプの道路交通法に則った使用方法ではありません。しかし、世の中的にハザードランプは感謝や危険を他車に知らせる手段として認知されています。

■「ハザード」の使い方、道路交通法とは違う使い方が定着。その背景にはなにがある?

 街の交通を見ていると、あらゆる場面でハザードランプが使われています。
 
 中には法令で定められていない使い方も散見されますが、ハザードランプには一体どのような使用方法があるのでしょうか。

 クルマを運転中、道を譲ってもらったらハンドサインやハザードランプなどで相手に感謝を伝えるという人もいるでしょう。

 特にハザードランプでのお礼は通称「サンキューハザード」と呼ばれ、多くのドライバーの間で日常的に使われています。

 しかし、このサンキューハザードは道路交通法などの法令で決められた使用方法ではありません。

 そもそもハザードランプは正式名称を「非常点滅表示灯」といい、その使用方法は道路交通法施行令で次のように規定されています。

———————————
【第18条 第2項】 
自動車(大型自動二輪車、普通自動二輪車及び小型特殊自動車を除く。)は、法第52条第1項前段の規定により、夜間、道路(歩道又は路側帯と車道の区別のある道路においては、車道)の幅員が5.5メートル以上の道路に停車し、又は駐車しているときは、車両の保安基準に関する規定により設けられる非常点滅表示灯又は尾灯をつけなければならない。

【第26条の3 第2項】
 通学通園バスは、小学校等の児童、生徒又は幼児の乗降のため停車しているときは、車両の保安基準に関する規定に定める非常点滅表示灯をつけなければならない。
———————————-

 つまり夜間に一定の道路で駐停車するときや、通学通園バスが子どもの乗り降りのために停車しているときに、ハザードランプを点灯する必要があります。

 実はこれら以外の使用方法は法令で明記されていません。

 法令の定めがないハザードランプの使い方としては、まず駐車場などでクルマをバック駐車する場面が挙げられます。

 これはハザードランプを点灯することで周囲の人やクルマにバックする意思を知らせる意味合いがあり、「リバースハザード」とも呼ばれます。

 さらに高速道路などの渋滞では、最後尾に並んだクルマがハザードランプを点灯しているケースも見られます。

 高速道路ではクルマのスピードが出やすいぶん、渋滞時に並んでいる車両への追突事故が発生しやすい傾向にあるため、ハザードを点灯して渋滞を知らせることが重要です。

 NEXCO中日本のウェブサイト「高速道路マナーガイド」においても、走行時のマナーとして渋滞時の後方でハザードランプを点灯し、後続車に合図することを推奨しています。

 またかつて静岡県内の高速道路で追突事故が相次いだ際に静岡県警高速道路交通警察隊は渋滞最後尾でのハザード点灯を広く呼びかけ始めました。

 この際、高速道路交通警察隊は次のように説明していました。

「高速道路運転中のドライバーの『防衛運転』のためにも、ハザードランプ点滅による注意喚起は有効と思われます。

 後方から近づく車両に、前方でおきている渋滞や事故といった情報を知らせる役割となります。

 追従する車両にとっては適切なブレーキタイミングが計れることにも繋がります。

 使用方法は『渋滞によって減速する段階でハザードランプを点灯し始め、後続車両が渋滞に気づき自分の後ろについた段階で消灯すると良い』です。

 また、本来の使い方ではないという意見もありましたが、渋滞を知らせるために注意喚起として行なうハザードランプ点灯は、違法なわけではありません。

 安全な道路走行につながるのであれば、ドライバーのみなさんには、せひご協力していただきたいです」

■他にはどんな時に使う? サンキューハザードには賛否? ユーザーの反響は?

 そのほか、歩行者やドライバーが守るべき交通ルール・マナーを示した「交通の方法に関する教則」では、夜間にクルマの故障などで駐車するときや運転中に緊急地震速報が発表されたときなどにハザードランプをつけて周囲のクルマに注意をうながすよう指導しています。

 このように非常時や、周囲の車両・人への注意喚起のために使われることの多いハザードランプ。

非常時に使用することもあるため赤く目立つようになっている非常時に使用することもあるため赤く目立つようになっている

 しかし、サンキューハザードに関しては使用を疑問視する声も聞かれます。

 SNS上においては「サンキューハザードは本来の使い方ではないからやるべきではないと教えられた」「全員ではないが、サンキューハザードをすれば急な車線変更とか何をしても良いと考えている人が多い」などの意見がありました。

 一方で「道を譲ったのにハザードを点灯しないクルマにイラつく」「サンキューハザードはクルマ社会の礼儀では」などの声も複数寄せられています。

 実際のところ、サンキューハザードで警察に検挙される事例は聞きません。

 法令に定めのある使用方法でなくても、周囲に危険を及ぼすような行為でなければ直ちに違法と判断されるワケではないようです。

 ただし上記の意見にあるように、サンキューハザードを出すからといって無理な車線変更や割込みをすることは危険であり、場合によっては別の交通違反に抵触する可能性もあるため注意しましょう。

※ ※ ※

 ハザードランプの使い方には、道路交通法で定められたもの、警察やNEXCOなどが推奨する「渋滞時」の使用が推奨されるものなどがあります。

 一方で一部ではマナーとしても捉えられるサンキューハザードには様々な意見が寄せられていることも覚えておきましょう。

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