「メルカリ」も「ベネッセ」も実はラテン語だった! 明日誰かに話したくなる「あの名前」の由来
東洋経済オンライン / 2024年3月26日 17時0分
ラテン語は、古代ローマで使われた言葉です。ラティウム地方という現在のイタリアの一地域のローカル言語に過ぎなかったこの言葉は、古代ローマがヨーロッパ世界の覇権を握ったことで、今も欧米を中心とした世界中にその痕跡を残しています。本稿では、『世界はラテン語でできている』より一部抜粋・再構成のうえ、ラテン語由来の固有名詞の例を紹介していきます。
商品名や社名の元になっているラテン語
世の中を見渡してみると、実は社名や商品名にラテン語があふれていることが分かります。たとえばフリマアプリの「メルカリ」はラテン語で「取引する(mercari)」という意味です。サービスの内容にぴったり合ったネーミングです。
また、海外のPCメーカーのAcer(エイサー)は、ラテン語で「鋭い」という意味です。つまり、日本の家電メーカーのSHARPと意味が共通しています。
ここまでの例はラテン語をそのまま使ったものですが、少し変えている例もあります。たとえば教育事業を展開しているベネッセ(Benesse)の名前は、ラテン語のbene「良く、適切に」とesse「ある、~である」を組み合わせたものです(ベネッセの公式の発信では、esseの意味を「生きる」としています)。
Benesseの場合は元の要素がある程度残っていますが、由来からかなり離れた例もあります。スポーツメーカーのASICS(アシックス)も元はラテン語です。ただASICSという単語があるわけではなく、anima sana in corpore sano「健全な肉体に健全な魂」の各単語の頭文字をつなげたものです。
これは古代ローマの詩人ユウェナーリスが書いたorandum est ut sit mens sana in corpore sano「健全な精神が健全な肉体にあれと願うべきである」という文を参考にしたものだと考えられます。
自動車業界とラテン語
一風変わった由来があるのは、自動車メーカーのAudi(アウディ)です。audiは、ラテン語で「聞け」という意味です。英語のaudio「オーディオ」、auditorium「講堂」、audition「オーディション」などの語源にもなったラテン語です。
では、どうして自動車メーカーの名前が「聞け」なのでしょうか?
これは、創業者のアウグスト・ホルヒ(August Horch)の姓(Horch)が、ドイツ語で「聞け」という意味のhorchと同じ綴りであることが元になっているのです。
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