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「友だちの輪」誕生のきっかけにあの世界的巨匠 ハプニングの宝庫「笑っていいとも!」の魅力

東洋経済オンライン / 2024年3月28日 14時0分

このようなことが起こり得たのは、『いいとも!』という番組そのものが、ハプニングの起こりやすい雰囲気を持っていたからだろう。

『いいとも!』では、リハーサルはほとんどなく、ぶっつけ本番だった。番組前のタモリは、段取りの確認なども他人に任せ、ずっとスタッフと雑談をしていたという。一見お気楽にも思われるが、それは、あらゆる面において安易な予定調和を嫌うタモリとスタッフのポリシーの表れでもあったはずだ。

ハプニングの宝庫

「テレフォンショッキング」は、『いいとも!』という番組を貫くそんな〝反-予定調和〟の精神を象徴するコーナーだった。

もちろんそこには、芸能人や著名人の意外な交友関係がわかるという楽しみもあった。出演を祝って電報が届いたり、大きな花輪が贈られたりする。

その飾られた花をタモリが「○○さんから届いてます」というように目についた贈り主にふれることもある。そうでなくとも、画面に映る花を見て誰から届いているのかを見るのも、視聴者の楽しみのひとつだった。

また、電話をかけた先が仕事の現場であったりすると、そこに居合わせた共演者が電話口に出て仲の良さが垣間見えたりするのも、ちょっと得した気分になった。

だがトークの場面では、和気あいあいとした雰囲気ばかりでなく、時には緊張が走ることもあった。

たとえば、1984年2月13日にレギュラー出演する以前の明石家さんまが出たときに紹介したのが、ミュージシャンの小田和正だった。

当時のタモリは、フォークやニューミュージックを「暗い」「軟弱」と言って盛んに批判していた。さんまはそれを承知のうえで、小田を紹介したのである。翌日のトークは、やはりどこか手探りの状態のまま、お互いぎこちない感じで進んだ。

また、官能小説で有名な人気作家・川上宗薫が1983年9月26日に出演した際には、小説での「尻の穴」の描写が話題になった。

説明しようとした川上が生放送での表現の難しさに耐え切れなくなり、「こうなったらヤケクソで、放送禁止用語なんか言っちゃっていいですか?」と言い出した。

「いいとも!」とはもちろんいかず、タモリが慌てて「怖いことをおっしゃる」と制止する一幕があった。

ほかにも、2012年10月3日に登場したタレントで俳優、作家でもあるリリー・フランキーが、お気に入りのラブドールを伴って出演し、自分の〝彼女〟として紹介したこともあった。

この場合は、タモリは慌てたというよりはむしろ興味津々でノリノリだったが、スタジオ全体はどう反応してよいかわからず不思議な空気が流れた。

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