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「ブラザー参戦」でもファンドを頼るローランドDG かつての親会社の非公開化でも登場のタイヨウ

東洋経済オンライン / 2024年3月29日 7時40分

つまりタイヨウが支配するローランドは、DGから114億円を吸い上げて、買収資金として借りた借金の返済に充てたのだ。

2014年の自己株取得の際にDGは、「ローランドからの事業活動や経営判断における独立性を一層確立できることが企業価値向上に資する」と説明していた。

ただ、この自己株取得のために、当時実質無借金だったDGは72億円の借金をした。この借金をDGが完済したのは2年前だ。2016年5月にも、ローランドはDG株式をDGに自己株取得させて34億円を吸い上げている。

さらにタイヨウは、ローランド再上場前の2018年に107億円、2019年に25億円、計132億円の配当金をローランドから引き出している。

タイヨウの「実績」には疑問符

タイヨウはローランド再上場時の株式売り出しでは355億円を手にした。再上場から1年後の2021年12月、米国系ファンドのミネルバ・グロース・キャピタルに一部売却した際には167億円を得た。それらは外部の投資家から得たものであり、とやかく言う筋合いのものではない。

だが、非公開化に伴う325億円の借金はローランドが負い、DGには2回の自己株取得で計148億円を負担させた。このような「実績」を持つタイヨウを、なぜDGは頼るのか。

DGは3月26日、株主への応募推奨を取り下げた。タイヨウに対しTOB価格を引き上げる可能性があるかを問い、検討中である旨の回答は得たものの、具体的な回答を得られなかったというのがその理由だ。

だが、依然としてタイヨウによるTOBへの賛同意見は変えていない。なぜタイヨウなのか。投資家を納得させるだけの説明が求められることは言うまでもない。

伊藤 歩:金融ジャーナリスト

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