ひと言で子どものやる気を上げる「声かけ10選」 自己肯定感が高まるポジティブな言葉
東洋経済オンライン / 2024年4月17日 8時30分
自己肯定感は、子どもが今後の長い人生を生きていく力、幸せになる力そのものです。どんな否定的な状況のなかでも、自己肯定感があれば、笑顔になれます。つらいことや悲しいことが起こったときにどう乗り越え、幸せを見つけていけるか、『何があっても「大丈夫。」と思える子に育つ 子どもの自己肯定感の教科書』より一部抜粋・再構成のうえ、子どもの自己肯定感を育てる方法をご紹介します。
ほかの子と比べるのは危険
わたしはよく、たとえ話として「うさぎと亀」の話をします。
うさぎと亀が競走をして、足の速いうさぎが油断してお昼寝しているあいだに、ゆっくり歩く亀に追い抜かれてしまいます。気がついたうさぎが急いで追いつこうと走りますが、亀のほうが先にゴールしてしまう話です。
うさぎも亀も、スタートもいっしょ、ゴールできたこともいっしょです。
何が違うかというと、うさぎは、だれか(ここでは亀)と比較して行動していたこと。亀は、うさぎのことは気にせずに、ただあきらめずにゴールに向かっていったという点です。
うさぎは亀が来なければ昼寝し、亀に追い抜かれたとなれば走り出す。うさぎの行動は、亀との比較が基準です。うさぎを人間にたとえるなら、他人と比較することでしか自分の価値を決められない、他人と比較して行動するということになり、他人に振り回される「他人軸」の人生になってしまいます。
一方の亀はどうでしょう。
亀はうさぎのことは見ていません。見ていたのは「ゴール」だけ。自分軸をもって、ゴールするぞと歩いていたのです。競走の途中では急な山道を上ったり下りたり、道が曲がったり、まさに紆余曲折があったでしょう。
でも亀はゆっくりでも「ああ、自分には長い爪があってよかったな。この爪があれば転ばなくて済むな」とか、「疲れたけど、4本の足を使って踏ん張ろう」と思いながら、ゆっくり、でも着実にゴールに近づいていたはずです。亀は、「もうダメだ」「ゴールなんてできるわけない」などと思わなかったですよね。
このときの亀の頭のなかで起こっていることこそが、わたしがよくお伝えしている「肯定感情」であり「肯定脳」です。これがあれば、1歩1歩、ゴールに向かっていくことができるのです。
小学校の高学年に入っていく10歳ごろは、自己肯定感が下がりやすい時期ともいえます。どうしても友だちと比べて「○○ちゃんはできるのに、わたしはできない」「○○くんももっているから、ぼくもほしい」などといったように、人との比較によって判断したり、浮き沈みをしたりしやすくなります。
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