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激減した「サブウェイ」じわり復活している事情 意外と知られていない「パンへのこだわり」

東洋経済オンライン / 2024年4月27日 13時20分

メニュー開発は日本サブウェイが行っており、グローバルのメニューであっても、日本人の好みに合う味に調整されているという。一番人気の「えびアボカド」(590円)は日本独自のメニューだ。また国内メーカーから仕入れているパンは、アメリカオリジナルのものより表面はソフトに、中身はもっちりと仕上げられているそうだ。

「ドレッシング・ソース類の調整がもっとも気を遣うところ」と、マーケティングマネージャーの土井英人氏は説明する。

パンに挟む具材が多いため、ドレッシング類の味や、適量を見極めるのが難しい。微調整に2カ月半ほどかかったこともあるそうだ。

確かに、ドレッシングが濃すぎると、新鮮な食材そのものの味がわからなくなってしまいそうだ。さまざまな具材の味を引き立てながらまとめる、絶妙なバランスが要求されるのだろう。

商品開発では、必ず社長の阿相智久氏が最終決定を下すという。

このように、チェーンとしての特徴、知名度、品質などがそろっているサブウェイが、一時激減したのはなぜだったのだろうか。前述の土井氏によると、「急激な増加に、商品やサービス品質の徹底が追いつけなかったこと」が原因だったという。

実はサブウェイはフランチャイズ展開を前提としたビジネス。日本でも、サントリー時代は直営店も混在していたが、徐々に直営を減らし、現在は1店舗を除いてすべてFC店となっている。

低迷を鑑みトレーニングプログラムを見直した

つまり、サブウェイは商品づくりから接客はもちろん、種類の多い具材の準備、在庫管理に至るまで店舗ごとの果たす役割が大きい。そんなビジネスモデルであるにもかかわらず、ノウハウがすべてのFC店に徹底されなかったことで、商品・サービス品質が低下し、客の減少につながったのだという。

こうした結果に鑑み、日本サブウェイでは出店を抑えながら、新規オーナーに対するトレーニングプログラムの見直しを行った。

「以前の研修は、現場での運営に関しての研修が主体だった。現在は、これに追加してフランチャイズオーナー様に対して、このビジネスが成功するための、1週間の研修を追加している。1店舗でも多くの店舗数、また、長く運営ができるようにトレーニングしている」(土井氏)

例えばサンドイッチは、ただおいしく、美しく作ればよいというものではない。テイクアウトの割合が高いため、スピードも重視されるのだ。土井氏によると、注文から会計まで約2分30秒を目標に提供されている。社内コンテストなどにより技術の向上を推奨しており、おすすめサンドイッチを30秒以内で作れるスタッフもいるそうだ。

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