突然現場に現れて「良案」を言い出す上司の弊害 「気になったら即座に直したい」欲求への抗い方
東洋経済オンライン / 2024年4月26日 9時0分
チームが仕事に没頭しているところに突然現れて、その場で思いついた改善案を突然言ってくる上司はいないだろうか。
そんなことをすれば、仕事の方向性が変わり、無駄が生まれる。作業への過剰な干渉となり、チーム内に不安が生じる恐れもある。
そう指摘するのは、米海軍の原子力潜水艦「サンタフェ」で艦長を務めた経験を持つマルケ氏だ。では、チームでの改善はどのように進めればいいのか。マルケ氏の『最後は言い方』より紹介しよう。
改善はどのように生まれるのか
仕事の改善は、過去に行った活動を客観的に吟味し、どうすればもっとよくなるかとじっくりと深く考えることで生まれる。
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仕事を思考(青ワーク)と実行(赤ワーク)に分けるとすれば、改善は青ワークの目的の要だ。青ワークはそもそも、赤ワークを改善するために行うものだ。
仕事において、考えること(青ワーク)だけを独立して行っても意味がない。意味を持つのは、実際の作業(赤ワーク)が何らかの形でよくなる場合だけだ。
赤ワークの改善の対象は、効率、作業の重要性、強靭さと柔軟さ、敏捷性など多岐にわたる。
改善には、偏見のない探究心と好奇心を持つことが、チーム全員に要求される。学習、創造、イノベーションのカギとなるのが、熟考と内省だ。
ただし、熟考するだけでは十分ではない。だから青ワークは「熟考」ではなく「改善」の時間なのだ。
改善にとりかかるには、頭をリラックスさせて時計の重圧を排除する必要がある。
時計を支配して中断を呼びかけるようになってからでないと、改善は行えない。時間に追われ、締切の重圧を抱えたままでは、改善に必要とされる思考ができない。
口を出したい誘惑に負けてはいけない
改善の際は、自分の限界に挑んで、あらゆる角度からさまざまな視点に立って考えることが求められる。
では、改善はいつ行えばいいのか?
まずは、改善に着手してはいけないタイミングについて説明しよう。チームが献身的に生産やプロジェクトに取り組んでいるときは、赤ワークの真っ最中なので、改善に適さない。
リーダーとして、チームが赤ワークに取り組むのを見ているうちに、改善できる点があると気づいたとしよう。
そうすると、すぐに作業に割って入って口を出し、彼らの「役に立とう」としたくなる。彼らの注意を引きつけて、自分の提案や意見を述べたくなる。
いまそうしなければ、チームは間違った方向に進み続ける、などと考え始めるのだ。
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