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蒸し暑い夏が到来…糖尿病の「水虫対策」はどうすべきか

日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年5月9日 9時26分

 あと半月もすると、ジメジメ、ムシムシの夏がやってくる。糖尿病とその予備群にとっては水虫が気になる季節だ。人によっては水虫がきっかけで足を失う人もいる。それを予防するためにいま何をやるべきか? 糖尿病専門医で「しんクリニック」(東京・蒲田)の辛浩基院長に聞いた。

 ◇  ◇  ◇

 日本の梅雨は毎年5月中旬から7月初旬・中旬に訪れる。日本気象協会の今年の梅雨入り予想によると、沖縄は5月中旬ごろ、近畿・関東甲信は6月上旬ごろとなっている。

「水虫の原因はカビの一種である白癬菌の感染です。白癬菌は床やバスマット、スリッパなどいたるところにいて、感染の機会をうかがっています。付着したら必ず感染するわけではありませんが、免疫力が落ちている人は感染しやすい。糖尿病で高血糖状態が続いている人は、白血球や免疫に関わる細胞の機能が低下していて、細菌や真菌などに感染しやすくなっています」

 さらに、糖尿病神経障害を発症している人は、足の感覚が鈍くなったり血流が悪くなったりして、必要な栄養や酸素が行き渡らなくなって感染症が増えやすいことがわかっている。

「足に感染した白癬菌を放置していると、爪の下に白癬菌が感染して爪白癬になる場合もあります。爪白癬は爪が白く濁ったり、黄色くなったり、分厚くなったりしても、かゆみや痛みを伴わないので、放置されることが多くなります」

 糖尿病の人の水虫が怖いのは、自覚しないまま症状が進行していったり、それをキッカケに別の感染症を患うなどして、足の指や足そのものが壊疽して切断するケースもゼロではないこと。そこまでひどくなくても高齢者にとっては爪白癬による爪の肥厚で歩きにくくなり、転倒して大腿骨を骨折し、寝たきりの原因になることもある。

 では、どうしたらいいのか?

「まず、現在、水虫だという人は、症状が軽くても皮膚科に行って、きちんと治すことです。水虫の治療は難しく、治療して本人は治したつもりでも水虫が残っていたり、爪白癬になっているのに気づかないケースもあります。水虫は爪白癬を招き、それは体の別の場所(顔、頭部、股間など)や家族に感染したりします。心当たりのある人はまず、治療しましょう」

 現在、水虫の症状がない人は、本格的な梅雨に入る前に水虫にならない、家に持ち込まない習慣をつけることだ。

■足の指と指の間を乾燥させる

「大事なことは、毎日、足の状態をよく観察することです。足の裏、指と指の間などをよく見られるように鏡を用意しておきましょう。痛みや切り傷、水ぶくれなどをしっかり観察しましょう。毎日お風呂でせっけんを使って足の指の一本一本、足の裏などを丁寧に洗います。人によっては入浴中にナイロン製タオルや軽石などを使ってかかと部分や足の指の間をごしごしこすり洗いする人を見かけますが間違いです」

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