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〈 “岸田包囲網”が着々〉茂木幹事長、菅前首相らが水面下でうごめくなか、崖っぷちの岸田首相の次の一手は?「首相は“一か八か解散”しかねない。でも、やったら自民党は終わりだ」

集英社オンライン / 2024年5月9日 7時0分

4月28日投開票の3補選は、永田町の大方の予想どおり、不戦敗も含めた「全敗」に終わった自民党。党内の動揺が収まらないなか、岸田文雄首相は大型連休中にフランスやブラジル、パラグアイを訪問。フランスでは、同国でも人気の日本の少年漫画を題材にした江戸切子のグラスやこけしをマクロン大統領らに贈る“クールジャパン外交”を展開した。だが、6日に帰国した首相を待ち構えていたのは「岸田包囲網」だった。

外遊先のフランスで“クールジャパン外交”を展開。出発前の岸田首相

お得意の「解散風あおり」も封印

「課題について結果を出すことが重要だ。それ以外は現在考えていない」

5月4日、訪問中のブラジル・サンパウロでの内外記者会見で、衆院解散について問われた首相は、淡々と語った。

出発前、30日の記者団の取材には衆院解散について「まったく考えていない」と厳しい表情で答え、これまでの「今は考えていない」から「今は」が消えていた。いずれにせよ、かつて解散風をあおっていたような余裕はなくなっている。

全国紙政治部記者はこう解説する。

「これまで首相は解散について問われたときにニヤリと笑みを浮かべることもあり、解散権をちらつかせることで、求心力を保ってきたのです」

それが、「まったく考えていない」と変化した背景には何があったのか。

「3補選の中でも、とくに島根1区の結果が衝撃的でした。2009年の政権交代時でも自民が勝てていた選挙区だったにもかかわらず、今回は投票締め切りの午後8時と同時に立憲の亀井亜紀子氏の当選確実が報じられるほどの惨敗。

『島根1区でこの結果なら、衆院選をしたら全国的に散々な結果になってしまう。何とかして早期解散は止めたい』と自民党内の危機感は高まりました」(同)

それだけに岸田首相としては、ささやかれていた6月解散の観測を打ち消し、「岸田おろし」の芽を摘んでおくことを優先した形だ。

「岸田包囲網」の中心はあの人?

外遊から帰ってきた岸田首相を待ち構えていたのは、補選3勝で勢いづいた立憲などの野党だけではない。自民党内の「岸田包囲網」もできつつある。

本来、首相を支えるはずの茂木敏充幹事長は「岸田首相には解散させない」と周囲に語るほど、首相の早期解散を阻止したい意向だ。

「3補選の投開票前、『全敗』の責任を取る形で茂木氏が幹事長を辞任するという噂が永田町を駆け巡りました。茂木氏としては幹事長にとどまっていると、総裁選で再選を目指す岸田首相を支えるべき立場となり、戦うことは難しい。

かといって岸田首相の求心力が落ちている今、岸田首相からの禅譲も現実的でない。3補選での敗北は、茂木氏が幹事長を辞めて総裁選出馬をねらうためのチャンスになりうるとみられていたのです」(自民党関係者)

しかし、茂木氏は続投した。

「ただし、茂木氏が続投したのは決して岸田首相を支えたいためではなく、幹事長としてカネや人事を握れる立場にいたいから。しばらくは様子をみるのでしょう。

そのうち、首相が解散を決心しても周囲から止められるようなことがあれば、途端に首相の求心力は落ちます。そうなったときに茂木氏は一気に勝負に出るのかもしれません」(同)

「解散は1日でも遅くして」と安倍派議員は願うも岸田首相は…

「ポスト岸田」をめぐる攻防も水面下でうごめく。

「3補選の結果をみたら、とても岸田首相では選挙は戦えないのでは。来年秋までに衆院選はあるのだから、なるべく国民人気の高い人に首相をしてほしい」(自民党関係者)

党内では圧倒的な「ポスト岸田」候補はいないものの、首相となれば女性初となる上川陽子外相、国民人気の高い石破茂元幹事長、河野太郎デジタル相らの名前が取りざたされる。

「非主流派の筆頭、菅義偉前首相も二階派の武田良太氏らと会合を重ね、メディア露出もするなど、存在感を高めています。首相を支える立場であるはずの幹事長の『岸田離れ』に加え、非主流派もうごめき、処分を受けた安倍派なども首相を快く思っていないとなれば、首相の力が弱まってしまうのは必然といえます」(同)

こうした事態を打開するため、岸田首相が早期に解散しかねないという声も、党内には相変わらず残る。

自民党安倍派議員の一人は「とにかく解散は1日でも遅くしてほしい。今解散されたら、まだまだ国民が裏金問題を覚えている。でも、岸田首相のことだから、何をしてくるかはわからない。このままずるずると9月の総裁選に突入するよりは『一か八か』での局面打開を図るのでは」と恐れる。

これまでも突然の岸田派の解散表明、衆院政治倫理審査会への出席など、「サプライズ」を繰り返してきた首相だけに、“ほぼなくなった”とみられる6月解散の可能性も完全に否定しきれないという。

「首相は外遊からの帰国当日の6日に党の政治刷新本部のメンバーと面会し、政治資金規正法改正に関して、『今週中にもとりまとめを行なうよう、協議を加速することを指示した』と語りました」(全国紙政治部記者)

「自分の延命のためなら何でもする」「党内の重鎮たちからの不満もなんとも思わないくらい鈍感力がすごい」と言われてきた岸田首相。

「岸田包囲網VS鈍感な首相」の攻防の行方はいかに……。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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