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大型トラックの「タイヤ」が浮いてる!? 故障なの? 奇妙すぎる「浮くタイヤ」には切実な理由があった!

くるまのニュース / 2024年5月10日 11時10分

後輪に複数のタイヤを装着する大型トラックやトレーラーが、後輪の一部を浮かせた状態で走行している姿を見ることがあります。これにはどのような理由があるのでしょうか。

■「タイヤが浮いているトラック」の正体は?

 大型トラックや大型トレーラーの中には、後輪に複数のタイヤを装着しているモデルも珍しくありません。
 
 そしてそのような車種において、後輪タイヤの一部を浮かせた状態で走行している姿を見かけることがありますが、これには一体どのような理由があるのでしょうか。

 大型トラックなどが一部の後輪タイヤを浮かせたまま走行しているのは、別に故障やトラブルなどではなく、センサーによって自動的に一部のタイヤを浮かせるシステム「リフトアクスル機能」によるものです。

 一般的な乗用車の場合は、前後にひとつずつ車軸があり、左右に1本ずつ合計4本のタイヤが装着されていますが、先述のように大型トラックやトレーラーの場合は車軸数が多く、複数のタイヤが装着されています。

 これはクルマ自体の重さにくわえて積載した荷物の重さにも耐える必要があるためで、また複数のタイヤがあることで仮にタイヤがひとつパンクしたとしても他のタイヤが支えるため、ある程度の緊急回避走行も可能です。

 しかし、トラックに必ず荷物が満載されているとは限らず、例えば往路は満載でも復路は空っぽということは珍しくありません。

 この時、往路と復路とでは車両総重量が大きく異なりますが、クルマの車軸数は積み荷が満載の場合を想定して設計されるため、積み荷が無い軽い状態では装備するすべてのタイヤで支える必要はありません。

 そこで用いられるのがリフトアクスル機能。積み荷の重量をセンサーが検知し、自動的に一部のタイヤを持ち上げて浮かせているのです。

 この機能のメリットはいくつかありますが、ひとつはタイヤの摩耗の防止です。

 タイヤは走行するほどゴムが摩耗しタイヤの溝が浅くなるなど劣化していきますが、積み荷が無いときに後輪の一部を浮かせばタイヤを無駄に摩耗させずに済み、その分タイヤの劣化を抑えることが可能です。

 また、積み荷が無い状態ではタイヤ1本あたりの道路との接地圧が小さくなるためにグリップ力と走行安定性が下がりますが、一部のタイヤを浮かせることで接地しているタイヤ1本あたりの接地圧が大きくなり、走行安定性が改善します。

 さらに最もわかりやすいメリットとして、高速道路の車種区分が変わることも挙げられます。

 高速道路の通行料金は車種区分によって異なり、例えば一般的な乗用車の場合「軽自動車等」または「普通車」の区分。

 そして大型トラックやトレーラーの場合は、車軸数が3本までの場合は「大型車」になる一方、4本以上となると「特大車」の車種区分に該当します。

 この大型車と特大車では通行料金に大きな差があり、実際の走行ルートによっても異なりますが、大型車のほうが4割ほど安く設定されています。

 そのため、4本以上の車軸をもつトレーラーなどでは、リフトアクスル機能を活用し不要なタイヤを浮かせることで大型車の区分となり、走行時のコストを大幅に削減することが可能になるのです。

※ ※ ※

 このように、リフトアクスル機能は活用次第で無駄を削減できる便利な機能ですが、その一方でETCレーンの前後で車軸数を変更し、特大車のトレーラーを大型車と誤認識させる不正通行も発生。実際に検挙された事例もあります。

 不適切な使用は走行安定性にも悪影響を及ぼす可能性もある危険な行為ですので、安全で適正な使用が求められます。

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