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『リバイス』で注目された仮面ライダーの怪人モチーフ御三家 クモ、コウモリ、そして…

マグミクス / 2021年11月28日 12時30分

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■「クモ」と「コウモリ」はなぜ別格?

 仮面ライダーシリーズの怪人で比較的、登場頻度の高い「クモ」と「コウモリ」の怪人たち。なぜ、よく登場するのでしょうか? それはシリーズ最初の作品である『仮面ライダー』をひも解くと、容易に答えが見つかります。

『仮面ライダー』第1話の怪人が「蜘蛛男(くもおとこ)」で、第2話が「蝙蝠男(こうもりおとこ)」(劇中では人間蝙蝠とも呼ばれる)でした。石森章太郎(当時)先生の原作マンガでも同様の順番で仮面ライダーと戦っています。仮面ライダーと戦った最初と二番目の怪人だったのです。

 これ以降、「シリーズの原点に返る」といった意味合いの強い作品では、クモとコウモリの怪人は同じく最初と二番目のポジションを与えられることが多くなっています。シリーズで初めて企画書に「原点回帰」と明言された『仮面ライダーアマゾン』でも、第1話がクモ獣人、第2話が獣人吸血コウモリでした。

 また、一度シリーズが終了してリスタートする形で始まった1979年の『仮面ライダー(スカイライダー)』第1話の怪人はカメレオンがモチーフのガメレオジンでしたが、第2話でクモンジン、第3話でコウモルジンが出てくるので、怪人の法則的には近いものがあります。雑誌企画からスタートした『仮面ライダーZX』でも第1号怪人はクモロイドになっていますが、残念ながらコウモリの怪人は登場していません。

 製作スタッフが一新された『仮面ライダーBLACK』では、これまでの法則通り第1話で倒された怪人はクモ怪人でした。一方のコウモリ怪人は第1話から登場して、セミレギュラーという形で終盤まで登場しています。

 さらにシリーズ初の劇場用オリジナル作品だった『仮面ライダーZO』では、怪人はクモ女とコウモリ男のみが登場するなど、クモとコウモリはライダーシリーズでは別格という印象を強く与えていました。

 そして平成シリーズ第1作となった『仮面ライダークウガ』でも、第1話にクモがモチーフのズ・グムン・バ、第2話にはコウモリがモチーフのズ・ゴオマ・グが登場して、中盤以降までセミレギュラーとしてクウガと戦っています。

 このクモとコウモリ怪人の関係に変化が現れたのは、平成第3作『仮面ライダー龍騎』からでした。本作では最初の怪人こそディスパイダーというクモの怪人でしたが、コウモリは2号ライダーともいうべき仮面ライダーナイトの契約モンスター。コウモリのモチーフが、怪人から仮面ライダーにまで出世したということになります。

 一方のクモも平成第5作『仮面ライダー剣』の仮面ライダーレンゲルのモチーフになりました。一作に登場する仮面ライダーが多くなった平成シリーズ以降は、クモとコウモリは怪人だけでなく、仮面ライダーのモチーフとしても使用される、さらなる別格の存在になったと言えるかもしれません。

■平成シリーズで新たにクローズアップされたモチーフ御三家の存在

実は「コブラ」も仮面ライダーシリーズによく出てくるモチーフ。画像は「S.H.Figuarts ブラッドスターク 仮面ライダービルド」(バンダイ)

 2021年現在放送中の『仮面ライダーリバイス』でも、仮面ライダーが複数登場します。主人公である五十嵐一輝(いがらし いっき)の弟の五十嵐大二(だいじ)の変身する仮面ライダーライブと、フェニックスのメンバーのひとり、門田ヒロミが変身する仮面ライダーデモンズです。

 くしくも、このふたりの仮面ライダーのモチーフは、それぞれクモとコウモリでした。これはおそらく偶然ではなく、スタッフが意図していたものでしょう。しかし、そうなると気になるのが、新たに登場した一輝の妹である五十嵐さくらが変身する仮面ライダージャンヌです。そのモチーフはコブラでした。

 クモとコウモリとコブラ、この並びでピンと来たファンも多いことでしょう。これはライダーシリーズ第3の法則とも言えるものだからです。

 もともと、仮面ライダーシリーズでコブラモチーフの怪人は少なくありませんでした。初代『仮面ライダー』でも比較的初期の9話と10話にコブラ男が登場しています。しかし、特に目立った存在ではなく、仮面ライダーに一度は倒されながらも強化されて翌週に登場したくらいです。

 ところが、マンガ版に注目すると意外なことが見えてきました。仮面ライダーと戦った3番目の怪人がコブラ男だったのです。そして、マンガ版の本郷猛が変身した仮面ライダーは、怪人とは「くも男、こうもり男、コブラ男、へび姫メドウサ」としか戦っていません。つまりクモ、コウモリ、コブラ(へび)の3種は特別な意味を持っているということです。

 再び仮面ライダー1号・2号が戦う劇場版『仮面ライダー THE FIRST』でも、登場した怪人はスパイダー、バット、コブラ、スネークの4体だけでした。ちなみに、コブラの人間名の「晴彦」、スネークの「美代子」はマンガ版と同じです。

 この他にも『仮面ライダードライブ』では、怪人となるロイミュードの素体がスパイダー型、バット型、コブラ型の3種類になっていました。『仮面ライダービルド』では初期の敵役であるナイトローグがコウモリ、ブラッドスタークがコブラだったことからか、続編である「Vシネクスト」の『ビルドNEW WORLD仮面ライダークローズ』で、クモがモチーフの仮面ライダーキルバスが登場しています。

 平成シリーズ以降のスタッフは、クモ、コウモリ、コブラを意識的に御三家として扱っているのかもしれません。

 ちなみに『リバイス』では、敵組織デッドマンズの幹部たちの怪人形態がウルフ・デッドマン、ダイオウイカ・デッドマンになっていることから、『仮面ライダー』におけるショッカー幹部の怪人形態へのオマージュだと考えている人も多いようです。となると、まだ登場していない3人目は……?

 放送開始から2か月ですが、物語はまだまだ序盤。今後の展開にはいろいろな想像が尽きませんね。

(加々美利治)

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